川口市で多く発生している刑事事件
川口市は、埼玉県の東南部に位置し、東京都の北区、板橋区、足立区などと非常に近いため、ベッドタウンとしても知名度がある地域です。
平成30年時点での人口は600,050人であり、さいたま市に続いて県内で2番目に人口が多い自治体です。
また、川口市は外国人の居住者が比較的多いことでも知られており、33,279人の外国人が暮らしています。
外国人に日本語を教えるボランティア団体が多いようで、川口市を希望する中国人が多いそうです。
今回は、そんな川口市の刑事事件や刑事事件を起こしてしまった場合の対処法について見ていきたいと思います。
【統計元サイト】川口市・埼玉県・全国 刑法犯認知件
このコラムの目次
1.刑法犯の認知件数は大幅に減少
川口市は平成16年当時、年間で15,018件もの犯罪認知件数がありました。
しかし、そこから地域や県警の努力の甲斐もあり、平成28年では年間で6,148件まで大幅に減少しました。
【川口市 直近5年間の刑法犯認知件数の推移】
平成24年:8,954件
平成25年:7,786件
平成26年:6,406件
平成27年:6,066件
平成28年:6,148件
川口市は今もなお人口が増え続けている地域ですが、犯罪認知件数は減少している非常に優秀な地域と言えるでしょう。
また、埼玉県警の統計データにおける、川口市内の犯罪発生状況についてもまとめてみました。
平成29年の犯罪認知件数合計:5,758件
強盗:19件
暴行:204件
傷害:167件
詐欺:202件
強制わいせつ:47件
窃盗犯:4,379件
【統計元サイト】川口市統計書:第15章8表 刑法犯罪種別認知件数及び検挙件数
犯罪認知件数は減ったといっても、川口市では年間5,000件以上の刑事犯罪が起きています。
以下、川口市で多く発生している犯罪が、どのような罪に問われるのかを説明します。
2.川口市で多い刑事事件
(1) 自転車盗難や車上狙い
平成30年12月末時点での川口市の1年間の犯罪認知件数は5,419件で、そのうちの1,623件が自転車の盗難事件でした。
窃盗5手口(ひったくり、オートバイ盗、自転車盗、車上狙い、侵入盗)の中では、圧倒的に自転車の盗難事件が多いです。
自転車の盗難事件は、法令上「窃盗罪」に該当する犯罪です。
また、自転車の盗難に続いて多いのが車上ねらいです。無施錠の車から現金やクレジットカードなどを盗む事件が多発しています。
車上狙いも、窃盗罪に該当する犯罪です。
刑法第235条(窃盗罪)
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
【統計元サイト】平成30年中の町丁字別の犯罪発生状況
(2) 振り込め詐欺
埼玉県内では、令和元年1月から7月末までの間で、すでに770件もの振り込め詐欺が発生しています(オレオレ詐欺は581件)。
なんと、特殊詐欺全体では880件もの件数が発生しています。
被害金額は12億円を優に超えるそうです。
【統計元サイト】埼玉県警察:特殊詐欺の発生状況と被害特徴
振り込め詐欺は、詐欺罪(刑法第246条1項または2項)に該当する犯罪です。
振り込め詐欺の場合、犯行を計画する等の主犯格だけでなく、金銭やキャッシュカード等を単に受ける「受け子」やキャッシュカードなどを用いてATMから現金を出したりする「出し子」、また、これら受け子や出し子を見張る役の「張り子」なども犯罪に加担したとして、処罰を受けます。
振り込め詐欺について、詳しくは以下の記事をご覧ください。
[参考記事]
振り込め詐欺の実態。受け子でも懲役の罪になってしまう?
刑法第246条(詐欺罪)
人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。
2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。
(3) 痴漢事件
人が多く行き交う川口市では、痴漢事件も少なくありません。
痴漢は、悪質な場合だと刑法上の強制わいせつ罪に該当します。また、刑法には該当しないような軽微な行為でも、都道府県ごとの迷惑防止条例違反となります。
刑法176条 強制わいせつ罪
十三歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、六月以上十年以下の懲役に処する。十三歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。埼玉県迷惑行為防止条例違反
第2条4項 何人も、公共の場所又は公共の乗物において、他人に対し、身体に直接若しくは衣服の上から触れ…等人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような卑わいな言動をしてはならない。
第12条2項 次の各号のいずれかに該当する者は、六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
1 第二条第四項の規定に違反した者
痴漢事件の刑事弁護について、詳しくは以下の記事をご覧ください。
[参考記事]
痴漢の弁護活動
3.刑事事件を起こしてしまった場合の対処法
自分は刑事犯罪とは無関係だと思っていても、つい魔が差して痴漢・盗撮をしてしまったり、アルバイトと称して勧誘され、気づかないうちに振り込め詐欺に加担してしまったりすることがあります
刑事犯罪を起こしてしまった場合、まずは弁護士にご相談ください。
窃盗罪や詐欺罪、強制わいせつ罪は、その悪質さや常習性によっては、懲役刑になる可能性もある重大な犯罪です。
しかし、いずれの犯罪も、示談により被害者に反省の意を示した上で被害弁償を受け入れてもらえれば、寛大な処分を期待することができます。
起訴・不起訴の判断は検察官に一任されています。被害者との示談が成立すれば、検察官としても「被害者が許しているのだから、わざわざ起訴にすることもないだろう」と考えるからです。
また、罪を犯して逮捕・勾留されてしまっている場合は、弁護士が勾留の必要がないということを示した意見書などを提出して働きかけることで、早期に釈放してもらうことができる可能性もあります。
勾留が長期に渡って続くと、会社を解雇されてしまったり、退学となってしまったりする可能性があるので、早期に身柄解放がなされることは、大きなメリットの一つでしょう。
泉総合法律事務所では、これまで様々な犯罪事件を扱ってきました。もちろん、示談交渉や釈放への取り組みも豊富にございます。
加害者が直接被害者本人と話して示談をするのは、大変難しいです。そういった意味でも、刑事事件を起こしてしまった場合は一度泉総合法律事務所にご連絡ください。
4.川口市で刑事事件で逮捕されたらすぐに弁護士に連絡を
川口市にお住まいの方は、電車通勤で都内に通っている方も多いことと思います。
万が一、痴漢・盗撮などで逮捕されたり、詐欺事件に加担してしまったりしたら、できる限り早い段階で弁護士にご相談ください。
場合によっては、家族の方からのご連絡でも対応が可能です。刑事事件は、初期の対応によってその後の生活に与える影響が大幅に変わってきます。
起訴されて有罪になる最悪のケースを回避するためにも、できる限り早めに相談することをおすすめします。
川口市、蕨市、さいたま市、京浜東北線沿線にお住まい、お勤めの方は、泉総合法律事務所川口支店に、ぜひ一度ご相談ください。
【川口市の管轄裁判所】
川口簡易裁判所
埼玉県川口市中青木2-22-5
048-252-3770さいたま地方・家庭裁判所
埼玉県さいたま市浦和区高砂3-16-45
048-863-8692(刑事部訟廷事務室)
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