刑事事件

振り込め詐欺の実態。受け子でも懲役の罪になってしまう?

振り込め詐欺の実態。受け子でも懲役になってしまう?

数年前から全国で報道されている振り込め詐欺ですが、ここ最近また急増しているようです(平成30年度の振り込め詐欺認知件数は16,314件です)。

警察でも振り込め詐欺が起こらないように啓蒙活動を行っていますが、年々手口が巧妙化しており、十分な対策に至っていない現状があるのかもしれません。

振り込め詐欺は主犯格でなくとも、重い懲役刑が科せられることがあります。
社会的に見ても、組織的な犯罪として認識され危険性が認識されていることから、受け子と呼ばれる役割であっても主犯格に準じて重く処罰され、今後も厳罰化が進むことと思われます。

今回は、振り込め詐欺で逮捕された場合の刑法上の罪や逮捕後の流れ、実刑を回避する方法などを伝えします。

1.振り込め詐欺はどんな犯罪になるか

(1) 振り込め詐欺とは

まずは、振り込め詐欺がどのような犯罪で何罪が成立するのか、受け子にも同じ犯罪が成立するのかについてご説明いたします。

そもそも振り込め詐欺とは、電話や郵便物などで、被害者を騙してお金を振り込ませる手口一般を指します。
オレオレ詐欺や架空請求詐欺などさまざまな名前がありますが、直接会って騙す詐欺とは異なり、電話などの通信手段を使って行うのが特徴です。

「振り込め詐欺」はその名の通り、詐欺罪が成立する犯罪です。

電話をかけた後に、相手が騙されなかった場合でも、詐欺未遂罪(刑法246条1項2項、250条)が成立し罰せられます。

刑法第246条(詐欺罪)
1 人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。
2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。

刑法第250条
この章の罪の未遂は、罰する。

(2) 「受け子」も主犯と同じ罪の重さ

振り込め詐欺では役割分担があり、犯罪を主導する役割、実行行為を行う役割で分かれています。
電話をかける役割は「かけ子」、お金を受け取ったり口座から引き出したりする役割は「受け子」や「出し子」という名前がついています。

振り込め詐欺で問題となっているのは、被害者だけではありません。アルバイト感覚で犯罪に手を染めてしまう、これらの「受け子」や「出し子」と呼ばれる被疑者も問題になります。

彼らのほとんどは、20代前半や10代の若い世代となっています。生活するお金がなくなった、遊びに行くお金が欲しかった、という理由から、バイト感覚で詐欺行為に加担してしまいます。

受け子達は、何のためのお金なのか知らされていないこともあります。しかし、自分の行っている行為が詐欺行為の一部であるとの認識が少しでもあったならば、詐欺罪として立件されてしまいます。

振り込め詐欺が社会問題になっていることは、誰もが知っていることであり、受け子らも犯罪の認識があったと判断されているのです。

「お金を受け取っただけ」のため、軽い別の犯罪が成立すると考える方も多いと聞きます。
しかし、振り込め詐欺の「出し子」、「受け子」は「共謀共同正犯(同法246条1項、60条)」として、主犯格の犯人と同様に立件されてしまいます。

2.振り込め詐欺の刑罰

振り込み詐欺は、特殊詐欺として組織的な犯罪として認知されているため、厳重な処罰が下されるケースが多くなっています。

では、主犯格、それ以外の犯人の罪の重さはどれくらいなのでしょうか。

(1) 振り込め詐欺の主犯は10年以下の懲役

刑法246条1項では、詐欺罪は「十年以下の懲役に処する」と規定されています。

詐欺罪では、罰金刑などはありません。そのため、主犯格の場合は有罪になればほぼ確実に懲役刑となります。
どのくらいの罪になるのかは個別ケースによりますが、特殊詐欺の主犯格は厳罰に処罰される傾向にあります。

裁判では、詐欺事案の結果の重大性、行為の悪質性、示談があるかなどの要素が考慮され、懲役刑の具体的な年数が決定されます。

もちろん、執行猶予判決もないわけではありません。しかし、執行猶予判決が出るケースでは、被害金額が数万円程度など少ない被害といえる場合や、被害者に全額を返還している場合です。

組織的に犯罪を行っていた場合、何億という金額をだまし取っているため、被害の賠償も難しく、初犯であっても執行猶予は厳しいでしょう。

(2) 振り込め詐欺の受け子の刑罰

「お金を受け取っただけ」のケースでは、主犯格よりも犯罪に対する寄与度は低いといえます。

主導的役割ではないため、主犯格の犯人よりは懲役刑が減刑される可能性は十分にあります。
さらにいえば、初犯であれ示談の成立や被害弁償をすれば執行猶予が付く可能性もあるといえるでしょう。

ただし、被害者との示談が成立していない場合は、執行猶予は厳しいかもしれません。

3.実刑を避けるためには示談が重要

受け子だったというケースの場合や、被害金額が少ない場合には、執行猶予が付く可能性はあります。

もっとも、初犯であるというだけでは、執行猶予が付く可能性は低く、被害者と示談を行っているか、被害金額を賠償できているかが重要となります。

還付金詐欺に一度関わっただけでの場合は、被害金額も数万円程度と低くなります。この場合なら、被害金額の賠償に加えて示談金をお渡しし、誠心誠意謝罪をすることで、示談を取り付けることも可能でしょう。

示談は、量刑や執行猶予に大きく影響しますので、非常に大切です。
他方、被害金額が何百万、何千万に及ぶ場合は、被害金額の全額賠償も難しくなります。

逮捕された本人のご家族が弁償することも多いですが、一度に大金を確保することは通常難しいと思います。

この場合でも、主犯格でない場合はできるだけの被害賠償をし、謝罪をすることで示談をまとめることで執行猶予となる可能性もあります。

ただし、被害者の気持ちが優先されるため、交渉は非常に厳しいものとなるでしょう。

このように、振り込め詐欺に関与した場合でも、執行猶予や量刑を軽くできる可能性はあります。
もっとも、その前提として被害の賠償と示談をまとめることが必要となります。

4.振り込め詐欺で捕まったら早めに弁護士へご相談を

振り込め詐欺では、主犯格でなく、アルバイト感覚で始めた受け子でも懲役刑が科せられる可能性があります。「簡単にお金が手に入る」といった話を耳に入れても、手を貸さないようにしましょう。

逮捕されてから「知らなかった」と言っても、その主張が認められるかはわかりません。

お子さんやご家族が振り込め詐欺で逮捕されてしまったら、すぐにでも弁護士にご相談ください。できるだけ早く被害者に被害弁償を行い、誠心誠意謝罪することができれば、執行猶予が付く可能性も高くなります。

泉総合法律事務所は、刑事弁護の実績も豊富であり、振り込め詐欺事案の知識が豊富な弁護士も在籍しています。
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