刑事事件

痴漢事件の示談交渉

痴漢事件の示談交渉

痴漢をして警察に呼び出されたので、弁護士に相談しに行った。弁護士は、被害者と示談をして不起訴処分を目指すのがよいと言っていたが、示談交渉には応じてもらえるのだろうか、示談金はいくらぐらい用意するべきなのだろうか。

そういった疑問をお持ちの方に向けて、ここでは痴漢事件の示談交渉についてお話します。

1.痴漢とは

痴漢事件とはいっても、「痴漢罪」という犯罪は存在しないため、行為の態様によって、成立する罪名、刑の重さが異なります。

一般的に痴漢事件で問われるのは、「各都道府県の迷惑行為防止条例違反」または「強制わいせつ罪」です。

被害者の身体に手を触れたのが着衣の上からであれば各都道府県の迷惑行為防止条例違反、着衣の中に手を入れたのであれば強制わいせつ罪という説明が一般的になされることがあり、実際もそのような運用がなされているように感じるところでありますが、各都道府県の迷惑行為防止条例違反の条例の規定によっては、着衣の中に手を入れたからといって必ず強制わいせつ罪に問われるわけではなく、各都道府県の迷惑行為防止条例違反にとどまることはあり得ます。

実際のところ、強制わいせつ罪の法定刑が「6月以上10年以下の懲役刑」とされ、罰金刑が定められていない一方で、各都道府県の条例違反が、都道府県にもよりますが、50万円または100万円以下の罰金刑を罰則として定めている関係で、罰金刑に処すことが想定されるレベルのわいせつ行為であれば、各都道府県の条例違反、それにとどまらない悪質さがあれば強制わいせつ罪とされ、その境目が、着衣の中に手を入れたか否かという基準とおおむね一致しているのではないかという感じがします。

そのため、痴漢をしたとしても、それが各都道府県の条例違反でとどまるか強制わいせつ罪にまでいたるかは、直ちには判断できるものではなく、捜査機関がどのように判断するかによるところが大きいといえるでしょう。

2.示談とは

示談とは、加害者と被害者が話し合って紛争を解決するということです。

刑事事件における示談では、加害者が被害者に示談金を支払う代わりに、被害者が加害者を許し、加害者の刑事処分を望まないという意思を表明するのが一般的です。

示談の結果、加害者が被害者に生じた損害を賠償したこと、被害者が加害者を許したことが考慮され、加害者にとっては、刑事事件の処分が軽くなる効果があります。

また、示談そのものは、加害者と被害者との間の民事上の紛争を解決する和解契約ということになりますので、今後、刑事事件で処分が出たあとに、民事上の損害賠償を請求されるということを防ぐこともできます。

言い換えると、示談ができなかった場合には、刑事事件としての処分が出たあとでも、被害者から民事上の損害賠償を請求される可能性は残るということです。

3.示談交渉に応じてもらえるか

示談交渉を進めるにあたっては、被害者の連絡先を捜査機関(警察署または検察庁)から得る必要があります。

捜査機関の担当者には、被害者の意向を確認して、弁護人限りで連絡先を知らせて欲しいとお願いするのですが、捜査機関の担当者が被害者の意向を確認した時点で、被害者が示談交渉には応じたくないので、弁護人とは連絡をとりたくないという拒絶の意思を表明することがあります。

これは、それほど頻繁に起こることではありませんが、こうなった場合には、この時点で示談交渉は決裂ということになります。

次に、捜査機関から被害者の連絡先を得ることができた場合には、弁護人が被害者に連絡をして、示談に応じていただけるようお願いをします。

このとき、弁護人が加害者と被害者の間に入っておりますので、当事者が直接顔を合わせるということは原則としてありません。

そのため、加害者の被害者への謝罪の気持ちを伝えるため、事前に加害者は被害者へ宛てた謝罪文を作成し、弁護人がそれを被害者へ渡すことになります。

そして、事前に加害者と弁護人との間で話し合って決定した示談金を被害者に提示し、弁護人が被害者に示談を受け入れていただけるようお願いします。

このとき、被害者が加害者の謝罪を受け入れ、示談金についても満足し、示談にご納得していただけることができれば、示談成立となりますが、成立にいたるまで、謝罪文を追加で作成する、示談金額を上げるなどして、被害者の方にご納得いただけるよう粘り強く交渉を続けます。

連絡先を得ることができ、示談交渉に応じていただけることができたとしても、被害者に示談の内容に納得していただくことができず、交渉決裂となることもあります。

しかし、多くの場合、刑事処分をより軽くしたいという思いのある加害者が被害者の意向を呑むかたちで示談が成立する傾向にあります。

痴漢事件の場合、示談において、二度と起こさないための方策(たとえば、二度と被害者と接触しないために、事件を起こした沿線の電車に乗るときは今後常に電車の先頭車両に乗ることを約束したり、痴漢事件を起こした駅を利用するときは常に東口を利用することを約束したりするなど)、作成した謝罪文を通じた加害者の反省の状況、示談金額などが話し合われることが多いです。

4.示談金はいくらぐらい用意するべきか

示談金額は、相場というようなものがあるという話もありますが、その相場も特に根拠のあるものではありません。

被害者が示談に応じていいと言った金額が示談金額となりますし、それはじ被害者によって様々ですので、いくらだったら示談に応じてもらえるという確定的な金額はお伝えできません。

そのため、加害者の方に考えていただきたいのは、刑事処分を少しでも軽くしたい加害者として、被害者の方に示談に応じていただけるのであればいくらまで示談金として用意できるかということです。

その示談金として支払える最大限の金額をひとまずご用意いただき、弁護人としては、その金額の範囲内で被害者に合意いただけるよう努めてまいります。

最初に提示する金額としていくらの金額が妥当であるかなどは事案により様々ですので、泉総合法律事務所にお越しいただいた際に詳しくお話いただいたうえで決定させていただきます。

5.まとめ

痴漢事件を起こした後の示談交渉の流れ、どのような点を意識するべきかなどご理解いただけましたでしょうか。

示談交渉をどのように進めるべきか、示談金額はいくらぐらいになりそうかなどは、事案により異なります。

事案に応じたアドバイスを行いますので、是非とも泉総合法律事務所にご相談いただければと思います。

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