刑事事件

痴漢と様々な弁護活動

痴漢と様々な弁護活動

いわゆる痴漢事件では、被害者対応など自分だけでは対処できない問題が多く存在することから、起訴前から弁護人が介入し、弁護活動を行うことが必要な場合が多いといえます。

特に、痴漢事件は身柄事件ではなく在宅事件として捜査されるケースが多く、国選弁護人が当然には選任されないことから、被害者対応などのため私選弁護士への依頼を検討される方も多くいらっしゃいます。

もっとも、一口に痴漢事件といっても、その内容によって弁護活動は様々です。

ここでは、痴漢事件の内容に応じた弁護活動の一部についてご紹介します。

1.被害者対応

(1) 被害者が未成年の場合

被害者が未成年の場合には、示談交渉を行う相手は基本的には被害者本人ではなくその親権者である両親となります。

示談交渉の流れそのものについては、被害者本人と交渉する場合と大差ありません。

もっとも、親権者の方々は、場合によっては被害者本人よりもお怒りになっていることがあります。

そのため、被害者本人だけでなく、そのご家族の気持ちに配慮しながら謝罪と弁償の提案を行う必要があります。

(2) 被害者が不明の場合

基本的に、立件される痴漢事件は被害者が特定されていることがほとんどです。

しかし、稀に被害者不明のまま公共機関の職員などの通報により事件が立件されることがあります。そのような場合には、被害者を探して示談を行うことはほとんど不可能です。

その場合、示談交渉に代わる弁護活動として、公共団体に贖罪寄付を行うなどの方法ととることがあります。

(3) 公共交通機関での痴漢の場合

バス、電車などの公共交通機関で痴漢をおこなってしまった場合には、被害者が今後相談者と接触することを恐れることが少なくありません。

そのような場合には、当該交通機関を使わない、あるいは交通機関を利用する場所・時間を制限することを約束する代わりに、示談に応じて頂くこともあります。

2.治療行為

痴漢行為は、その時一度きりのものではなく、捕まるまでの間に何度も頻繁に行ってしまっている場合も少なくありません。

この場合、何も対策を取らなければ、処分を決める担当検察官に痴漢の常習性が高いと判断されてしまう可能性があります。

また、痴漢を日常的に行ってしまっているケースでは、一種の痴漢行為に対する依存症のような状態になってしまっている場合があります。

そのような場合には、依頼者自身の決意のみでは痴漢の再犯防止を達成できるか疑問が残ってしまい、第三者による監視・監督が必要となるケースがあります。

そのため、痴漢の常習性がある場合には、専門の医療機関に相談し、痴漢の常習性に関する診断・通院を行うことが効果的な場合があります。

中には、痴漢行為に対する自制心を育てながら再犯を防止することを目的として、一度きりの受診ではなく、定期的に通院を行って担当医に現状報告をするといった継続的な治療を行うこともあります。

近年ではそのような対応を行っている専門の医療機関も年々増加しており、刑事事件の専門家の間でも非常に関心の強い分野となっています。

3.否認の事件

痴漢行為について身に覚えがないという否認の事件の場合には、被害者との示談ではなく、捜査機関への対応に留意することが第一です。

多くの痴漢事件の場合には、被害者の供述が正しいものとして捜査が行われ、捜査機関は自白を行うよう働きかけを行います。

しかし、一度でも痴漢行為を認める供述を行うと、後からこれを撤回することは極めて困難です。

そのため、自己の記憶と異なることを供述しないよう注意しながら捜査機関に対応することが極めて重要です。

また、あまりに捜査機関の自白への強要や誘導がなされるようであれば、弁護人を通じて捜査機関に適正な捜査が行われるよう上申・警告する必要があります。

4.まとめ

以上のとおり、痴漢事件といえども、その弁護方法は痴漢の態様や当事者の属性によって異なります。

もっとも、どのような痴漢でどのような活動を行うことが効果的かという点は、専門家でなければ判断が難しい面が多くあります。

痴漢事件で捜査機関から捜査を受けることがあれば、少しでも早く専門家へ相談することをお勧めいたします。

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