法人破産

埼玉県川口市の法人破産はどのような流れで行われるのか?

埼玉県川口市の法人破産はどのような流れで行われるのか?

埼玉県川口市は、埼玉県南東部の荒川北岸にあります。

現在の川口市は多くの中小企業が拠点を構える全国でも有数の産業都市であると同時に、人気の高いベッドタウンへと変貌し、川口駅周辺のかつての工場跡地は中高層のマンションに姿を変えています。

ここでは、川口市の産業や経済の状況とともに、川口市で会社の倒産・破産を考えていらっしゃる方向けの情報を解説します。

1.川口市で企業の倒産を検討している経営者様へ

(1) 倒産とは

倒産とは、個人や法人が経済的に破綻し、債務を弁済することができなくなることをいいます。

日本では、法人の倒産の手続として破産、会社更生、民事再生などが法律で定められているほか、裁判所を通さずに行う私的整理の手続もしばしば利用されています。

倒産についてネガティブなイメージを持っている方は少なくありませんが、倒産手続は法律によって認められた正当な手段で、当然、犯罪には該当しません。

倒産手続を行うことによって、会社を畳んで負債を帳消しにしたり、会社を存続させたまま返済のスケジュールを組み直したりすることが可能になり、経営者は新たな人生に向けて再出発をすることができます。

(2) 川口市における企業の倒産状況

川口市産業労働政策課が作成した資料によると、川口市における平成19年から平成27年までの企業の倒産件数と負債額の推移(負債額1,000万円以上)は次のとおりです。

倒産件数 負債額(単位は百万円)
平成19年 57件 19,833
平成20年 44件 8,130
平成21年 66件 18,966
平成22年 54件 4,955
平成23年 80件 14,837
平成24年 61件 6,549
平成25年 67件 12,976
平成26年 37件 3,912
平成27年 38件 3,082

このように、倒産件数は平成23年の80年をピークとして近年は徐々に減少しており、平成26年以降は40件以下となっています。

(3) 法人の倒産の特徴

個人の場合も、消費者金融などからの借り入れを返済することが困難になったときには、自己破産や個人再生などの手続をとることができます。

もっとも、法人と個人では倒産の手続の考え方に大きな違いがあります。

①清算型の手続をとると会社は消滅する

個人の場合、当然のことですが、破産などの清算型の債務整理手続をとったあとも、一つの経済主体として生き続けることになります。
したがって、手続によって借金を帳消しにすべきかどうか、あるいは一部の債務を存続させるかどうかが問題となります(帳消しにすることを「免責」といいます)

手続を行った後にどうやって家計を立て直し、生活していくかを考える必要があるのも個人の債務整理の特徴です。

一方で法人は個人と異なり、法律によって経済主体として認められているに過ぎません。したがって、破産などの清算型の手続を行うと法人は消滅し、これにより債務も当然になくなります。

免責不許可事由や非免責債権などは、法人の場合は概念そのものがないということになります。
会社と経営者個人はあくまで別々の法的な主体であり、法人が倒産したからといって経営者個人に影響がないというのがあくまで原則です。

ただし、中小企業の場合は代表者個人が会社の連帯保証人となっていることが多々あります。
そのような場合、会社を倒産させると代表者個人が会社の負債を代わりに負うことになります。

会社の負債は非常に高額になりがちですので、法人が破産するのと同時に代表者個人も破産の手続を行うのが一般的です。

②社会に与える影響が大きい

個人の場合、個人間での借り入れもありますが、一般的には消費者金融やサラ金などの金融機関からの借り入れが債務整理の対象となります。

これらの業者は融資のプロですので、返済されないリスクを踏まえたうえで貸し付けを行っているともいえます

一方、法人の利害関係者は金融機関だけでなく取引先、顧客、従業員など多くおり、それぞれが債権者になりえます。

従業員は会社が破産すれば解雇されることになるので、新たな就職先を見つけるまでの間どのように生活を保障するかが問題となります。

取引先で体力のない中小企業は連鎖倒産してしまうおそれもあります。当然、経営者に対して厳しい声が浴びされることもあります。

このように、法人の倒産は個人に比べて社会や周囲に対する影響力が大きいのが特徴です。
個人の債務整理手続に比べ、法人の倒産手続では経営者個人に大きな精神的・肉体的な負担がかかります。

会社のために頑張ってくれた従業員や、お世話になった取引先に迷惑をかけたくないという気持ちは経営者の共通した気持ちです。

しかし、資金繰りを回していくことが困難になった以上、弁護士の協力のもとでなるべく早く倒産に向けた準備を進めていく必要があります。

2.倒産(破産)手続の流れ

続いて、法人の倒産の手続について解説します。

法人の倒産の手続には、大きく分けて法的整理と私的整理、そして再建型の手続と清算型の手続があります。

法的整理の中でも、清算型手続きの代表が「破産」です。
ここでは、特に会社の破産について詳しく解説していきます。

法的整理

私的整理

破産法や民事再生法などの法律に基づいて、裁判所の監督の下で倒産手続を行うこと

裁判所を通さずに弁護士が各債権者と任意の交渉を行って和解を目指す手続

再建型

清算型

会社が倒産後も存続することを前提として債権者に弁済を猶予してもらったり、返済条件を緩和してもらったり、債務の一部をカットしてもらう手続

企業を存続させることが難しい場合のいわば最終手段で、破産法に基づく破産手続が主

(1) 破産の準備

破産をするためには、まず弁護士との協議のもとで事業を停止させる日を決めます。これを通称「Xデー」と呼びます。
Xデーには利害関係者に対し「受任通知」を送付して破産手続に入ることを通知するとともに、従業員を全員解雇することになります。

受任通知を送付することにより、問い合わせ対応などの手続は全て弁護士が窓口となります。

従業員や親しい取引先にはXデーに先んじて破産手続に入ることを伝えたいと思われるかもしれませんが、これはしてはいけません。
特に一部の債権者に対して優先的に弁済をしたりすれば、偏波弁済として破産後に取り消されることもあります。

これは、債権者は平等に扱わなければいけないという原則が法律により定められているためです(債権者平等の原則)。

もし破産前に不動産を譲渡し、所有権移転登記を行ったとしても、債権者の原則を害するものだと判断されれば登記は取り消されることがあります。

(2) 破産手続開始の申立てと破産管財人の選任

続いて、裁判所に破産手続開始の申立てを行います。

破産手続開始の申立てが行われると裁判所は、会社が破産の要件を充たしているかを確認したうえで破産手続開始決定を行い、破産管財人の選任を行います。

破産手続が開始したことは官報で公告され、登記により公にされます。

(3) 財産の換価と配当

破産管財人は会社に残された資産を調査して売却したり、売掛金を回収したりするなど配当に向けた準備を行います。

一方、債権者は破産管財人に対して債権の届出を行い、それに基づいて破産管財人が調査を行って債権額を確定します。

換価の結果、債権者に配当するだけの財産がある場合には配当を行いますが、財産がない場合には配当が一切行われないこともあります。

(4) 手続の終了

その後、任務終了の計算報告を行い、裁判所が破産手続終結決定を出すと会社は消滅して破産手続は終了します。

3.埼玉県川口市の法人破産は弁護士に相談を

会社の倒産手続にはさまざまな種類があり、どの手続を選択すべきか、企業が置かれた状況によって異なります。

弁護士と協議のもと、負債の総額、残された財産、今後の経営の見通し、そして経営者の意向などに鑑みて適切な手続を選ぶべきです。

どのような手段を選ぶにせよ、倒産手続を行うためには準備が必要です。
「いよいよ手形が不渡りになる」というギリギリのタイミングで弁護士に相談すれば、採りうる選択肢が限られてしまうだけでなく、取引先や従業員に多大な迷惑をかけることになります。

また、破産手続を行うためには裁判所に支払う予納金や弁護士にお支払いいただく費用がかかります。
資金が完全にショートしてしまってからでは、手続を行うことすら困難になりかねません。

倒産・破産しなければいけないかもしれないと思ったら、なるべく早い段階で弁護士に相談することをお勧めします。

川口市、蕨市、さいたま市、京浜東北線沿線にお住まい、お勤めの方で、会社の破産を考えている方は、泉総合法律事務所川口支店の弁護士にぜひご相談ください。

最後に、埼玉県川口市で裁判手続による破産をするときの管轄裁判所をご案内します。

法人破産は、主たる営業所の所在地を管轄する地方裁判所が管轄となるのが原則です。
したがって、川口市に主たる営業所がある会社の場合はさいたま地方裁判所が管轄となります。

さいたま地方裁判所
〒330-0063 埼玉県さいたま市浦和区高砂3-16-45

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