盗撮で逮捕されたら弁護士に相談するべき?
「先日盗撮をしてしまい、それがバレて警察に捕まってしまった。一度帰してもらえたが、後で逮捕されて留置所に行くのかもしれない。今後の生活はどうなってしまうのだろうか。」
つい魔が差して盗撮をしてしまった方の中には、そんな悩みをお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。
そこで、この記事ではそのような悩みをお持ちの方の不安を解決します。
1.盗撮とは
盗撮とは、都道府県ごとに定められた、いわゆる「迷惑行為防止条例」で禁止されている「公共の場所で人の合意なくして、典型的にはひとの下半身やスカートなどの内部を撮影する行為」をいいます。
埼玉県迷惑行為防止条例 第2条4項
何人も、公共の場所又は公共の乗物において、他人に対し、身体に直接若しくは衣服の上から触れ、衣服で隠されている下着等を無断で撮影する等人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような卑わいな言動をしてはならない。
刑罰は各自治体の条例によって異なりますが、埼玉県の場合は以下の通りです。
6か月以下の懲役または50万円以下の罰金刑(埼玉県迷惑防止条例第12条2項1号、第2条4項)
常習犯の場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金(同条例第12条4項)
条例内容によっては、上記のような撮影に限らず、離れたところから人を無断で撮影する行為も盗撮に該当し、条例違反となり、処罰されることがあります。
泉総合法律事務所に「盗撮で警察に検挙された」とご相談にいらっしゃるご依頼は、本件以外にも多数盗撮をしているケースが多いです。そして、その盗撮画像が入ったスマートフォンから余罪についても立件されてしまわないか非常に心配だと相談されることが多々あります。
余罪について立件するためには、携帯電話にある盗撮画像の被害者が誰であるか特定する必要があります。しかし、警察や検察官が余罪の盗撮画像から被害者がどこの誰かを特定することは困難でしょうから、例えスマートフォンや携帯電話にそのような画像が残っていたとしても、それだけで立件はしないのが通常です。
2.盗撮の刑事弁護
盗撮は盗撮された方(主に女性)が被害者ですから、その被害者女性と示談が成立すれば、検察官は(初犯ならば)不起訴とすることもあります。
示談するには被害女性がどこの誰かを知らなければなりません。しかし、性犯罪一般では、被害者の氏名や連絡先を加害者(被疑者)に警察や検察官が教えることはありません。
一方で、弁護士であれば被害者の連絡先を教えてもらえる可能性があります。連絡先の開示についての具体的仕組みについてですが、弁護士は、被疑者から弁護人に選任されると、警察や検察官に連絡して被害者の連絡先の開示を要請します。
弁護士からの開示の要請があると警察や検察官は、被害者に対して弁護士に連絡先を教えてもいいか確認します。そして、被害者が弁護士に教えてもいいと回答すると警察や検察官が弁護士に連絡先を開示してくれるという仕組みになっています。
被害者の連絡先の開示を受けた弁護士は、被害者に実際にお会いして、被疑者に代わって謝罪し、慰謝料的性質を持つ示談金を受領してもらうことで示談を成立させます。
その後、弁護士は示談書を検察官に提出します。
もし示談が成立しなかった場合には、不起訴処分を目指して意見書を作成したり、検察官と交渉したりしますが、示談不成立での不起訴処分は難しく、罰金刑(前科)となることが少なくありません。
検察及び警察が捜査した刑事事件について、検察官が起訴しないと判断した場合を不起訴処分といいます。不起訴処分には前科はつきません。
不起訴処分となる理由はいくつかあり、嫌疑なし、嫌疑不十分、起訴猶予処分が挙げられます。
3.盗撮が発覚したら必ず逮捕されるか
盗撮は、性犯罪の中では一番軽い犯罪といわれています。
そのようなこともあり、盗撮が発覚警察署に連行されても、犯罪を認めている場合には、通常、上申書というものを作成しただけで解放されることが多いといえます。
しかし、盗撮を認めない場合や、盗撮の道具・スマートフォンやデジカメを偽装して発覚しないように細工していた場合、過去に盗撮で罰金刑を受けていた(前科がある)場合などの事情があるときには、悪質な盗撮と判断されます。
そのような場合は、逮捕され、警察の留置場に勾留、その後検察庁に送検されて検察官の取り調べを受けることになります。
多くの場合ではこの段階で釈放されるものですが、否認の場合や犯行態様が悪質な場合には、裁判官の判断で10日間の勾留決定となることもあります。さらに最悪の場合、10日間の勾留後に10日間勾留が延長されることもありえます。
4.逮捕されたらどうすればいいか
逮捕された場合には、速やかに弁護士を依頼することをお勧めします。
最悪の事態としては、先ほど申し上げたように計20日間勾留されることもありえます。
そうなると、事件のことが会社に知られることになり、懲戒解雇などを受けるなど、本人だけでなく家族の生活にも重大な影響が生じます。
弁護士に刑事弁護の依頼をすると、弁護士は至急被疑者本人に接見して事情を詳細に把握し、検察官の取り調べにどう対応するべきか、裁判官の勾留質問にどう対応するべきかを助言します。
また、家族の身元引受書などとともに弁護士の意見書を添えて、それを検察官や裁判官に提出して釈放を働きかけ、勾留を阻止する活動に取り組みます。
5.盗撮の刑事弁護経験豊富な泉総合法律事務所へご相談を
泉総合法律事務所は、様々な刑事弁護に精力的に取り組んでおります。盗撮は多く発生している犯罪のため、ご依頼件数も多数に上ります。
刑事弁護については男性弁護士の大半が取り組む体制をとっており、どの弁護士も刑事弁護の場数を積んでいます。
盗撮で検挙・逮捕されてしまった場合には、是非とも泉総合法律事務所にご相談・ご依頼ください。
初回相談の費用はかかりません。いつでもお電話をお待ちしております。
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